マセラティスパイダー幌張替+KWインストール
2026年08月28日
Maserati Spyder Cambiocorsa 幌開閉不良修理・予防整備
今回ご入庫いただいたのは、Maserati Spyder Cambiocorsa。
ご依頼のきっかけは電動ソフトトップの開閉不良でした。
某マセラティ正規ディーラーから、幌の開閉が上手く出来ないスパイダーがあるのですが、対策ありますか?」と問い合わせ頂いた事から始まりました。
症状を確認すると、幌故障の定番箇所で動作が止まっている事から、ある部位の劣化により発生していることが分かりました。
オーナーからは「これからも長く乗り続けたい」とのことで、幌の修理だけで終わらせるのではなく、この機会に車両全体をしっかり点検・整備してリセットして欲しいとのご依頼をいただきました。作業を写真を交えてご紹介いたします。

1,幌交換・点検整備
経年劣化が進んでいたソフトトップは新品へ交換。
車両全体は法定12ヶ月点検を実施し、各部の状態を確認します。
同時に専用テスターを使用して各種エラーチェックも行っていきます。
張替前の幌
ボルドーの色が抜けてかなり白茶けております。
一部の幌がほつれているのが分かると思いますが、こちらスパイダーの持病のひとつです。
幌の開閉が途中で止まってしまうと、ほつれている箇所に必要以上のテンションが掛かり、結果この様な状態になってしまいます。

張替後

照明と光の当たり方で見え方も変わりますが、上下の写真は同じ幌です。

純正品の幌は高額な為、ミラコラーレではワンオフで幌を製作しております。
納期は幌の製作に約2ヶ月、完成後の取付作業に2週間〜3週間程度頂いております。
ここ1年で4200系の車両で非常に多く見られるようになったのが、エンジンフロントカバーからのオイル漏れです。
これまで20年間で、この箇所のメンテナンスを行ったのは20台程度(1台/年)でしたが、今年だけでその数を優に超えてしまいました。逆に考えれば20年間殆ど発生しなかったというなので、耐久性はかなり高かったと言っても良いと思います。

このメンテナンスはかなり大がかりな作業になります。
フロントバンパーやラジエターを含めた水周りを全て取り外す必要があります。
ミラコラーレでは単純にガスケットだけを交換するのではなく、この状態だからこそ交換できるパーツも予防整備として交換しました。工賃が掛からないのと後々トラブルが「モグラ叩き」になってしまう事も防げます。

今回の作業で交換したパーツは以下の通りです。
・エンジンフロントカバーガスケット交換
・クランクシャフトシール交換
・タペットカバーパッキン交換
・プラグホールパッキン交換
・スパークプラグ交換
冷却系も同時にリフレッシュ。
ラジエターホース
サーモスタット
水温センサー
冷却水交換
サブタンクキャップ
など、将来的なトラブルを未然に防ぐための予防整備を行いました。
なお、ドライブベルト一式は交換履歴が新しかったため、状態を確認した上で再使用しています。
では更に奥までご紹介していきます。

ここで注目していただきたいのがタイミングチェーンの暴れを防ぐ為のチェーンテンショナー。
4700系のエンジンでは劣化によりかなり高い確率で折れており、その破片がチェーンに絡まりコマ飛びからエンジンブローに至ったケースも数件ありました。
一方4200系はその事例が無いこと、タイミングヴァリエーターの不調も殆ど発生しないことから写真の部分をお目に掛かることは殆どありません。

外した状態のチェーンテンショナーを比較すると伸びているのが一目瞭然です。
写真の上の亜麻色に変色しているのが、これまで使用していたパーツです。オイルの影響で変色しています。下の白が新しいパーツです。

縦に並べて見ると、長さと湾曲の違いがより分かると思います。



KW車高調整Kitインストール
リアショックはかなり酷いオイル漏れが発生していました。
スパイダー、クーペ含め4200系のショックアブソーバーのトラブルは比較的少ないのですが、この車両はかなり長期間にわたってオイル漏れが発生していことが、写真からも分かると思います。
走行距離が短く、ボディーや内装が綺麗でもやはり20年前の車です。
しっかりメンテナンスを行っていなければ安心は出来ません。
人間も定期的に健康診断を行う事で、大きな病気を未然に防ぐことが出来ます。
車も同じなんです。
漏れたオイルに長年に渡り異物が付着しているのが分かると思います。
短期間のオイル漏れではここまでの状態にはなりませんので、かなり以前からオイル漏れが発生していたと考えられます。
KW Ver3は伸び側、縮み側それぞれの減衰力が調整可能なため、純正以上の乗り心地の良さをkeepしながらもコーナーではしっかり粘ってくれるセッティングが可能です。
純正のスパイダーでは怖さを感じる下りのコーナーも、気持ち良く駆け抜けられるようになります。スポーツ性能と快適性を両立したミラコラーレオリジナルのセッティングに仕上げています。

車高もほぼノーマルの高さに合わせております。
その他実施作業
・インテークスリーブ交換
・エンジンオイル・オイルエレメント交換
・チェーンテンショナー交換
・ブレーキブリーダープラグ清掃
・センターパネルイルミネーション点検
など細部までメンテナンスを実施しております。
ウインカーバルブ
今まで紹介したことはありませんでしたが、ウインカーバルブを見たことが無い方も多いと思います。バルブ自体が黄色く着色されていますが、経年劣化によって色味が薄くなると、ウインカーの発光色が基準を満たさず車検不適合となる場合があります。
写真を見ると、かなり劣化しているのが分かると思います。


ミラコラーレの考えるメンテナンス
今回のように一つの不具合を修理する際には、その作業でしかアクセスできない部品や、同時交換しすることで将来的なコストを抑えられる部品まで考えて作業することが重要です。
悪くなった部品だけを交換して終わりでは、後日別の部品が故障した際に、再度同じ箇所をばらさなくてはいけません。年式を重ねたマセラティだからこそ、今だけで無くこの先何年乗るのかを考えながら整備する。それがミラコラーレが考える予防整備です。
今回整備させて頂きましたSpiderも幌の開閉不良から始まりましたが、エンジン、冷却系、足周りまでリフレッシュすることが出来ました。
これからも長くMaserati Spyderを楽しんでいただける、ベストコンディションに仕上がったと思います。この度はご依頼いただき、誠にありがとうございました。



株式会社ミラコラーレ
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